動物愛護法(第4章)まとめ

動物愛護法の第4章について

第4章 都道府県等の措置等の概要

犬及び猫の引取り

都道府県等は、犬又は猫の引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。ただし、犬猫等販売業者から引取りを求められた場合その他の第七条第四項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として環境省令で定める場合には、その引取りを拒否することができる
都道府県等が犬又は猫を引き取る場合には、都道府県知事等は、その犬又は猫を引き取るべき場所を指定することができる。
・都道府県等が所有者の判明しない犬又は猫の引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。
・都道府県知事等は、引取りを行つた犬又は猫について、殺処分がなくなることを目指して、所有者がいると推測されるものについてはその所有者を発見し、当該所有者に返還するよう努めるとともに、所有者がいないと推測されるもの、所有者から引取りを求められたもの又は所有者の発見ができないものについてはその飼養を希望する者を募集し、当該希望する者に譲り渡すよう努めるものとする。
・都道府県知事は、市町村(特別区を含む。)の長に対し、犬又は猫の引取りに関し、必要な協力を求めることができる。
・都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする団体その他の者に犬及び猫の引取り又は譲渡しを委託することができる。
・環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項本文の規定により引き取る場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。
・国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第一項本文の引取りに関し、費用の一部を補助することができる。

負傷動物等の発見者の通報措置

道路、公園、広場その他の公共の場所において、疾病にかかり、若しくは負傷した犬、猫等の動物又は犬、猫等の動物の死体を発見した者は、速やかに、その所有者が判明しているときは所有者に、その所有者が判明しないときは都道府県知事等に通報するように努めなければならない。
都道府県等は、前項の規定による通報があつたときは、その動物又はその動物の死体を収容しなければならない

犬及び猫の繁殖制限

犬又は猫の所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置を講じなければならない
都道府県等は、犬又は猫の引取り等に際して、前項に規定する措置が適切になされるよう、必要な指導及び助言を行うように努めなければならない。

動物愛護管理センター等

動物愛護管理センター

動物愛護管理センターは、次に掲げる業務を行うものとする。
第一種動物取扱業の登録第二種動物取扱業の届出並びに第一種動物取扱業及び第二種動物取扱業の監督に関すること。
動物の飼養又は保管をする者に対する指導、助言、勧告、命令、報告の徴収及び立入検査に関すること。
特定動物の飼養又は保管の許可及び監督に関すること。
犬及び猫の引取り、譲渡し等に関すること。
・動物の愛護及び管理に関する広報その他の啓発活動を行うこと。
・その他動物の愛護及び適正な飼養のために必要な業務を行うこと。

動物愛護管理担当職員

都道府県等は、条例で定めるところにより、動物の愛護及び管理に関する事務を行わせるため、動物愛護管理員等の職名を有する職員を置く
・指定都市、中核市及び市町村(特別区を含む。)は、条例で定めるところにより、動物の愛護及び管理に関する事務を行わせるため、動物愛護管理担当職員を置くよう努めるものとする。
動物愛護管理担当職員は、その地方公共団体の職員であつて獣医師等動物の適正な飼養及び保管に関し専門的な知識を有するものをもつて充てる。

動物愛護推進員

都道府県知事等は、地域における犬、猫等の動物の愛護の推進に熱意と識見を有する者のうちから動物愛護推進員を委嘱するよう努めるものとする。
動物愛護推進員は、次に掲げる活動を行う
・犬、猫等の動物の愛護と適正な飼養の重要性について住民の理解を深めること。
・住民に対し、その求めに応じて、犬、猫等の動物がみだりに繁殖することを防止するための生殖を不能にする手術その他の措置に関する必要な助言をすること。
・犬、猫等の動物の所有者等に対し、その求めに応じて、これらの動物に適正な飼養を受ける機会を与えるために譲渡のあつせんその他の必要な支援をすること。
・犬、猫等の動物の愛護と適正な飼養の推進のために国又は都道府県等が行う施策に必要な協力をすること。
・災害時において、国又は都道府県等が行う犬、猫等の動物の避難、保護等に関する施策に必要な協力をすること。

協議会

都道府県等、動物の愛護を目的とする一般社団法人又は一般財団法人、獣医師の団体その他の動物の愛護と適正な飼養について普及啓発を行つている団体等は、当該都道府県等における動物愛護推進員の委嘱の推進、動物愛護推進員の活動に対する支援等に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができる

犬及び猫の登録

マイクロチップの装着

犬猫等販売業者は、犬又は猫を取得したときは、環境省令で定めるところにより、当該犬又は猫を取得した日(生後九十日以内の犬又は猫を取得した場合にあつては、生後九十日を経過した日)から三十日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあつては、その譲渡しの日)までに、当該犬又は猫にマイクロチップを装着しなければならない。ただし、当該犬又は猫に既にマイクロチップが装着されているとき並びにマイクロチップを装着することにより当該犬又は猫の健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるときその他の環境省令で定めるやむを得ない事由に該当するときは、この限りでない
犬猫等販売業者以外の犬又は猫の所有者は、その所有する犬又は猫にマイクロチップを装着するよう努めなければならない

マイクロチップ装着証明書

獣医師は、犬又は猫にマイクロチップを装着しようとする者の依頼を受けて当該犬又は猫にマイクロチップを装着した場合には、当該マイクロチップの識別番号その他環境省令で定める事項を記載した証明書を当該犬又は猫の所有者に発行しなければならない

取外しの禁止

何人も、犬又は猫の健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるときその他の環境省令で定めるやむを得ない事由に該当するときを除き、当該犬又は猫に装着されているマイクロチップを取り外してはならない

登録等

次の各号に掲げる者は、その所有する犬又は猫について、当該各号に定める日から三十日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあつては、その譲渡しの日)までに、環境大臣の登録を受けなければならない
・所有する犬又は猫にマイクロチップを装着した者 当該マイクロチップを装着した日
・マイクロチップが装着された犬又は猫であつて、この項の登録(以下この章において単に「登録」という。)を受けていないものを取得した犬猫等販売業者 当該犬又は猫を取得した日
・登録を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
・氏名及び住所、電話番号並びに登録を受けようとする犬又は猫の所在地
・登録を受けようとする犬又は猫に装着されているマイクロチップの識別番号
・登録を受けようとする者は、前項の申請書に、マイクロチップ装着証明書を添付しなければならない。
・環境大臣は、登録をしたときは、環境省令で定めるところにより、当該登録を受けた者に対し、その所有する犬又は猫に関する証明書を交付しなければならない。
・登録証明書には、環境省令で定める様式に従い、登録を受けた犬又は猫に装着されているマイクロチップの識別番号その他の環境省令で定める事項を記載するものとする。
・登録を受けた者は、登録証明書を亡失し、又は登録証明書が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、環境大臣に申請をして、登録証明書の再交付を受けることができる。
・環境大臣は、登録に係る事項を記録し、これを当該登録が行われた日から環境省令で定める期間保存しなければならない。
・登録を受けた者は、第二項第一号に掲げる事項その他の環境省令で定める事項に変更を生じたときは、環境省令で定めるところにより、変更を生じた日から三十日を経過する日までに、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
登録を受けた犬又は猫の譲渡しは、当該犬又は猫に係る登録証明書とともにしなければならない

変更登録

次に掲げる者は、環境省令で定めるところにより、犬又は猫を取得した日から三十日を経過する日までに変更登録を受けなければならない。
・登録を受けた犬又は猫を取得した犬猫等販売業者
・犬猫等販売業者以外の者であつて、登録を受けた犬又は猫を当該犬又は猫に係る登録証明書とともに譲り受けたもの

死亡等の届出

犬又は猫の所有者は、当該犬又は猫が死亡したときその他の環境省令で定める場合に該当するときは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない

都道府県等の指導及び助言

都道府県等は、犬又は猫の所有者に対し、必要な指導及び助言を行うように努めなければならない。

指定登録機関の指定

環境大臣は、環境省令で定めるところにより、その指定する者に規定する環境大臣の事務を行わせることができる
・指定登録機関の指定は、環境省令で定めるところにより、登録関係事務を行おうとする者の申請により行う。
・環境大臣は、前項の申請が次の要件を満たしていると認めるときでなければ、指定登録機関の指定をしてはならない。
・職員、設備、登録関係事務の実施の方法その他の事項についての登録関係事務の実施に関する計画が、登録関係事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
・前号の登録関係事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
環境大臣は、第二項の申請をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、第一項の規定による指定をしてはならない。
・一般社団法人又は一般財団法人以外の者であること。
・登録関係事務以外の業務により登録関係事務を公正に実施することができないおそれがあること。
・第三十九条の二十の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。
・その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。
・この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
・次条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者
・指定登録機関が二以上ある場合には、各指定登録機関は、登録関係事務の適正な実施を確保するため、相互に連携を図らなければならない。
・指定登録機関が登録関係事務を行う場合における第三十九条の五第一項及び第二項の規定、同条第四項及び第六項から第八項までの規定(第三十九条の六第二項において準用する場合を含む。)、第三十九条の七第一項及び第三項の規定並びに第三十九条の八の規定の適用については、これらの規定中「環境大臣」とあるのは、「指定登録機関」とする。

指定登録機関の役員の選任及び解任

指定登録機関の役員の選任及び解任は、環境大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
環境大臣は、指定登録機関の役員が、この法律(この法律に基づく命令又は処分を含む。)若しくは第三十九条の十三第一項に規定する登録関係事務規程に違反する行為をしたとき又は登録関係事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定登録機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。

事業計画の認可等

指定登録機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に、環境大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
指定登録機関は、毎事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、環境大臣に提出しなければならない。

登録関係事務規程

指定登録機関は、登録関係事務の開始前に、登録関係事務の実施に関する規程を定め、環境大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
登録関係事務規程で定めるべき事項は、環境省令で定める。
環境大臣は、第一項の認可をした登録関係事務規程が登録関係事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定登録機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

秘密保持義務等

指定登録機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、登録関係事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
登録関係事務に従事する指定登録機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

帳簿の備付け等

指定登録機関は、環境省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに登録関係事務に関する事項で環境省令で定めるものを記載し、及びこれを保存しなければならない。

指定の取消し等

環境大臣は、指定登録機関が第三十九条の十第四項各号(第三号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。
環境大臣は、指定登録機関が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録事務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
・第三十九条の十第三項各号の要件を満たさなくなつたと認められるとき。
・第三十九条の十一第二項、第三十九条の十三第三項又は第三十九条の十六の規定による命令に違反したとき。
・第三十九条の十二又は前条の規定に違反したとき。
・第三十九条の十三第一項の認可を受けた登録関係事務規程によらないで登録関係事務を行つたとき。
・次条第一項の条件に違反したとき。

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